私が「占い」という言葉に慎重になる理由
私は48年間、出版社「壮神社」を営んできました。
本、言葉、物語。
人が何に救われ、何に迷い、何を信じるのかを、
長年、紙の上で見つめてきました。
令和元年、末期の前立癌と診断され、
医師から「覚悟をしてください」と告げられたとき、
私は初めて「人生の終わり」を現実として意識しました。
しかし私は、思いのほか死なず、今も生きています。
その経験から、
人は病気では死なない。考え方で生き方が変わる
という信念を持つようになりました。
だからこそ、「占い」という言葉には希望も危うさも感じます。
天運四柱推命は「未来予測」ではない
天運四柱推命は、四柱推命をベースにした占術です。
しかし、いわゆる「当たる・外れる」を競う占いとは
少し立ち位置が違います。
提供されているのは、
・生年月日をもとにした命式
・性格や思考傾向の言語化
・人生の流れの整理
つまりこれは、
未来を決めるための占いではなく、人生を読み直すための編集作業
に近いものだと感じました。
出版の世界で言えば、「答えを書く本」ではなく、
「読み手が自分で考える余白を残す本」に近い存在です。
星海しおりという“語り部”の設計
星海しおりは、占い師個人というより
物語を語るための語り部として設計されている印象があります。
・断定しすぎない
・否定しない
・受け止める言葉が多い
これは、不安を抱えた人が安心して読み進められるよう
意図された語り口です。
出版的に見れば、
非常に計算された「読み手目線の編集」です。
ビジネスとしての全体構造
天運四柱推命 星海しおりは、
占い業界では一般的な段階構造を持っています。
【入口】
・無料診断
・簡易リーディング
・記事や動画コンテンツ
【中核】
・有料鑑定
・詳細な分析レポート
・音声やPDF
【発展】
・講座
・継続サポート
・コミュニティ
これは占い特有ではなく、情報出版・講座ビジネスと同じ構造です。
私はこの形を、これまで何度も見てきました。
料金体制はどう設計されているのか
天運四柱推命は、
最初から高額な料金を提示するタイプではありません。
一般的には、
・無料〜数千円の入口
・1万円前後〜数万円の個別分析
・数万円以上の講座や継続サポート
と、段階的に進む設計です。
ここで重要なのは、
一つひとつの価格よりも、積み重なった金額です。
出版で言えば、
一冊は安くてもシリーズで揃えると高額になる、
それと同じ構造です。
お金を払っている本当の価値
占いにおいて、人が本当にお金を払っているのは
「結果」ではありません。
・納得
・安心
・自分を肯定してもらえた感覚
・物語の中に居場所を見つける感覚
これは、本を買う行為とよく似ています。
情報ではなく、
心の整理と意味づけに対して支払っているのです。
AI時代と占いの現在地
今や命式の計算や文章生成は、AIでも可能な時代です。
つまり、占いにおける価値は
「技術」ではなく「語り方」に移っています。
星海しおりは、この点を理解した設計だと感じました。
それは強みでもあり、
同時に「依存を生みやすい構造」でもあります。
ノウハウコレクターとしての私の視点
私はこれまで、情報商材を買って満足する
典型的なノウハウコレクターでもありました。
天運四柱推命も、
「理解したつもり」で終わらせてしまえば、
それ以上の価値は生まれません。
どんなに良い言葉も、行動に移さなければ
人生は一行も書き換わらない。
これは、
出版でも人生でも同じです。
私なりの結論
天運四柱推命 星海しおりは
・占い
・心理整理
・情報コンテンツ
を組み合わせた、人生を読み直すための編集ツール
のような存在だと感じました。
希望を与える力はあります。
しかし、人生の責任を肩代わりしてくれるものではありません。
⚠ 最後に
もしこのサービスに触れるなら、
こう考えてください。
・答えをもらう場所ではない
・人生を預ける相手ではない
・考えるための材料の一つにすぎない
本は、読んだだけでは人生を変えません。
占いも同じです。
人生を変えるのは、自分で書き直す覚悟だけです。
