
人は「救われる言葉」に弱い
私は48年間、出版社を営み、言葉を生業にしてきました。
人の心を動かす文章、希望を与える言葉、そして人を惑わせる表現も、数え切れないほど見てきました。
令和元年、私は末期癌と宣告されました。
「覚悟をしてください」と言われたとき、人は理屈よりも 希望にすがりたくなる ものです。
だからこそ私は、副業や投資の世界で語られる
「人生逆転」「覚醒」「選ばれた人だけが成功する」
こうした言葉に、強い警戒心を持っています。
今回検証するのは、硯(すずり)副業/松本悠里
感情ではなく、構造で見ていきます。
硯(すずり)副業とは何をうたっているのか
硯(すずり)は、次のような特徴を前面に出しています。
・特別なスキルや経験は不要
・意識や言葉を使った新しい稼ぎ方
・誰でも再現可能
・努力や作業は最小限
一見すると、忙しい人や人生に疲れた人にとって
「優しい副業」に見えます。
しかし、私が最初に確認するのは常に一つです。
▶ お金はどこから、どのように生まれるのか
この核心部分が、硯ではほとんど語られていません。
ビジネスモデルが語られない副業の危険性
出版業界では常識があります。
収益構造を説明できないものは、ビジネスではない。
硯(すずり)の説明では、
・何を売るのか
・誰に売るのか
・いくらで売るのか
・どこで利益が発生するのか
この基本構造が極めて曖昧です。
「意識が変われば現実が変わる」
「流れに乗ればお金が入る」
これらは思想や自己啓発としては成立します。
しかし 副業として成立させるには致命的に不十分 です。
松本悠里という人物について
硯(すずり)を語る上で欠かせないのが
松本悠里 という人物です。
紹介では、
・導き手
・覚醒を促す存在
・特別な視点を持つ人物
といった表現が並びますが、
✔ 具体的な事業実績
✔ 数字で確認できる成果
✔ 第三者が検証できる経歴
これらは確認できません。
副業や投資で重要なのは人ではなく、仕組み です。
人物像が曖昧な案件ほど、慎重であるべきです。
費用体系に見える「段階誘導型」の構造

調査を進めると、硯(すずり)には
典型的な段階課金の流れが見えてきます。
硯(すずり)で想定される費用構造
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・無料説明や低額案内からスタート
・講座・プログラム参加費 数万円
・個別指導や上位コース 十数万〜数十万円
最初に 総額が提示されない。
これは副業詐欺で非常に多い特徴です。
私自身も、「ここまで払ったのだから…」
という心理で、引き返せなくなった経験があります。
「信じる人だけが成功する」という言葉の正体
硯(すずり)に限らず、精神性を強調する副業では
必ず次の言葉が使われます。
・疑う人は結果が出ない
・素直な人だけが成功する
・信じられないなら向いていない
これは 批判や検証を封じるための言葉 です。
出版の世界では明確です。
批判に耐えられない理論は、完成していない。
疑問を持つことは、失敗ではありません。
私が最も強い違和感を覚えた点
それは、失敗事例が語られないこと です。
本当に再現性がある副業なら、
・うまくいかなかった人の共通点
・向いていない人の特徴
・撤退すべき判断基準
これらが必ず提示されます。
硯(すずり)では、成功イメージだけが強調され、
現実的なリスクがほとんど語られていません。
硯(すずり)副業への参加は極めて慎重に
私は一度、人生の終わりを意識した人間です。
だからこそ、はっきり言えます。
この副業には、人生を預けるだけの透明性がありません。
・ビジネスモデルが不明確
・運営者の実績が検証できない
・費用が段階的に膨らむ可能性
・精神論で判断を鈍らせる構造
これらが重なった案件に、
希望だけで飛び込むのは危険です。
【注意喚起】参加を検討している方へ

参加前に、必ず自問してください。
・この副業の仕組みを第三者に説明できるか
・お金が生まれる流れを理解しているか
・失敗した場合の損失を受け入れられるか
一つでも曖昧なら、
今は参加しないという判断が最も安全です。
生きる勇気とは、希望に飛びつくことではありません。
疑い、考え、立ち止まる勇気 だと、私は思っています。