
死を宣告されてから気づいた“本当に大切な判断基準”
私は48年間、出版社「壮神社」を営んできました。
読書・音楽・映画――文化の力を信じ続けてきました。
令和元年、末期の前立腺癌で「覚悟をしてください」と医師に告げられながらも
いまだに生き続けている私は“命の不思議”を噛み締めながら、毎日を新鮮に生きています。
その一方で、私は典型的なノウハウコレクターでもあります。
高額商材を買って満足し、何も変わらない自分に落ち込む。
そんな日々を何度も繰り返してきました。
だからこそ私は、今回のテーマである
「ふくパラ(副業パラダイス)」
というサービスを、人生後半の視点から“誤魔化しなく
丁寧に、誠実に”分析したいと思ったのです。
ふくパラとは何か
ふくパラを一言で表すなら
副業の窓口…しかし、副業そのものではない。
この点は非常に重要です。
SNS広告で見かける表現は実に魅力的です。
- 「スマホだけで月30万円」
- 「誰でも簡単に」
- 「主婦でも会社員でもOK」
こうした言葉は、人生に迷いを抱える人ほど刺さりやすい。
私のように“成功を焦ってきた人間”には、なおさらです。
しかし私は、本の校正と編集を続けてきた癖で
言葉の裏側にある「構造」を必ず見るようにしています。
ふくパラの本質は
副業案件へユーザーを誘導し、紹介料で収益を上げる仕組み
という点にあります。
ふくパラの導線を分解する
無料 → 教育 → 誘導 の流れは完成度が高いです。
ふくパラの導線を編集者の目で読むと
非常によく作られた“マーケティングストーリー”になっています。
① 無料登録
まずここでユーザーの心理的ハードルを徹底的に下げます。
人は「無料」という言葉に弱いものです。
② LINEで教育(期待を高める)
- 成功者の声
- 限定のメッセージ
- お得に感じるタイミング紹介
- 「あなたにもできる」という空気づくり
これらは典型的な“教育導線”です。
③ 別の副業案件を紹介
ここが本番です。
ふくパラ自体が副業ではなく、ここで他サービスが姿をあらわします。
案内されるのは、投資、物販、AI副業、コンサル、スクール…とさまざまです。
④ 成約すればふくパラ運営に報酬
つまり、ふくパラとは
「無料で人を集め、高額案件を購入した人から報酬を得る構造」
で動いています。
出版社でも、無料配布冊子 → 有料書籍の購入
という導線は存在しますが、金額の規模とリスクの重さがまったく違う。
だからこそ、慎重な判断が必要になります。
― 批判一色ではなく、冷静に評価もする
私は、どれだけ怪しいと感じても、必ず「良い点」も見つけます。
それが編集者としての癖であり、長年の経験から身についた癖でもあります。
◎ 無料で情報収集できる
金銭的リスクなしで副業ジャンルを知れるのは事実です。
◎ スマホだけで利用可能
高齢者や働き詰めの会社員にとって、これは強い利点です。
◎ 副業の「入口」としては悪くない
副業の世界は広く、初心者は“何を調べればいいのか”すらわからないものです。
そういう意味では、ジャンルの概要を知る役割は果たしています。
しかし、私が危険だと感じた理由

ふくパラを調べていて、私はある“嫌な記憶”が蘇りました。
高額商材に何度も騙され
「自分は愚かだ」と自責を続けていたあの時期です。
その経験から分かった危険ポイントを、正直に書きます。
❗① 実際の作業内容が見えない
「誰でもできる」「簡単」
という言葉の割に、内容が曖昧です。
人生後半の副業ほど
“具体性”がなければ続かない。
❗② 成功者の実態が不透明
顔出しなし、実績証明なし。
作られた“声”の可能性も否めません。
私は出版の世界で、“本当に成功した人は素性を隠さない”
という現実を何度も見てきました。
❗③ 無料から一気に“高額世界”へ入る導線
これは私自身が過去に最も失敗したパターンです。
無料 → 興味 → 具体的説明 → 高額コース
この流れは、冷静な判断を失わせる構造になっています。
ふくパラのビジネスモデルを深掘りする
ビジネスは、「誰が得をして、誰が損をするのか」を理解すると、本質が見えます。
【得をする側】
- ふくパラ運営
- 案件提供側
- アフィリエイト関係者
【損をしやすい側】
- 副業初心者
- 情報商材に慣れていない人
- 行動できず、期待だけを抱きやすい人
- 私のようなノウハウコレクター予備軍
ふくパラは“悪”とは言いません。
しかし、ユーザーが利益を得る構造よりも、運営側の利益が優先されている設計だと私は感じました。
“副業の入口” としては使える。だが“本命”にはならない。
ふくパラは詐欺ではありません。
無料で情報やジャンルを知るという点では意味があります。
しかし、副業として本気で収益化したい人にとっては
- 再現性
- 具体性
- 継続性
- 安全性
これらが欠けています。
人生の残り時間を強く意識して生きる私からすると
これは“本命の選択肢”には入りません。
人生後半の副業は「生き方」でもある

私は、死を宣告されてから今日まで
「人は病気では死なない。諦めた時に死ぬ」
そんな気持ちで生きてきました。
だからこそ、副業とはいえ
『人生の時間をどう使うか』を、大切にしてほしいです。
ふくパラは、入口としては使えます。
しかし本命として選ぶには、あなたの人生の時間がもったいない。
私はこれからも、遠回りしてきた人たちが“生きる勇気”を取り戻せるような
そんな情報を届け続けたいと思っています。